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MSCは2船のクルーズ再開に向けて、 保健衛生プランを発表(2020/8/3)
引用元:クルーズインダストリーニュース
MSCクルーズは、今年の夏に地中海での運航再開の可能性を視野に準備を進めており、グランディオーサ号とマニフィカ号の7日間のクルーズ開始に向けた最終的な承認を待っている。
プレスリリースによると、MSCグランディオーサは西地中海で、MSCマニフィカは東地中海で7泊のクルーズを提供する。
実際の出発日は、関係各当局に提出したガイドラインに基づいて決定される。
MSCによると、予定されている旅程にはギリシャとマルタが含まれており、当局はクルーズへの港の再開だけでなく、MSCクルーズの運行再開をサポートする衛生安全プロトコルを承認したという。
MSCによると、本日イタリアで開催された記者会見でMSCクルーズのジャンニ・オノラート最高経営責任者(CEO)は、乗客乗員・地域社会の健康と安全を守るために設計し、地中海でのクルーズ再開をサポートするために構築した同社の包括的な衛生安全プロトコルの詳細を明らかにした。
専門のタスクフォースでは、第一線の外部医療専門家の意見と支援を得て、MSCクルーズの新たな運用手順を定めた確固たるプロトコルを構築した。これは、地域および国のガイドラインを超えて効果的に新たな基準を定めるものとなっている。
この運航再開の初期段階においては当面の間、MSCの2船はシェンゲン諸国に居住する乗客のみを受け入れる予定である。
さらにMSCによると、可能な限り乗客が公共交通機関や航空機を利用する必要性を軽減するため、港のアクセス性に応じて旅程を設定したという。
米国においては、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)を含め、関連する地方自治体および国家当局、船が運航する地域全体から必要な承認を得た後、MSCのクルーズ船のサービスを再開する予定である。
MSCによると、医療サービス、公衆衛生、ホテルサービス、HVAC(空調システム)そのほかの船舶エンジニアリングシステム、情報技術、物流の分野における社内の専門家で構成される部門間的なタスクフォースを設立。また、プロトコルと運用手順の構築をさらに支援するため、アスペンメディカルと契約。さらに、精鋭メンバーで構成されるCOVIDエキスパートグループを設立した。
新しい保健衛生プロトコル:
1.乗船前の乗客には、検温、健康アンケート、COVID-19スワブ検査の3つの包括的なステップから構成されるユニバーサル・ヘルススクリーニングがおこなわれる。スクリーニング結果、乗客の病歴、渡航滞在歴に応じて、2次ヘルススクリーニングまたは検査がおこなわれる。検査結果が陽性またはCOVID-19の症状や発熱がみられる乗客は、乗船を拒否される。欧州疾病予防管理センターのガイドラインに従って、高リスクに分類されている国に滞在していた乗客は、乗船前72時間以内にリアルタイムPCR検査を受ける必要がある。すべての乗組員は、乗船前および契約期間中、定期的にCOVID-19の検査を受ける。
2.新しい清掃方法の導入、病院グレードの消毒剤製品の使用、病原菌を99.97%死滅させるUV-C紫外線技術を用いた船内空気の衛生設備によってサポートされる高度化した衛生清掃対策。
3.乗客数の削減による適切なソーシャルディスタンスを可能にし、総定員数の70%を基準にして1人あたり約10m²(約108平方フィート)のより広いスペースを乗客に確保。会場の収容人数も削減し、乗客を対象としたアクティビティは小さなグループ向けに変更、人数を管理するために各種サービスやアクティビティは事前予約が必要となる。エレベーター内などソーシャルディスタンスの確保が不可能な場合には、乗客はフェイスマスクの着用が求められる。フェイスマスクは客室に毎日提供されるほか、船内各所で入手可能にする。
4.高度な資格を持ちトレーニングを受けたスタッフおよび、COVID-19が疑われる患者を検査・診断・治療するために必要な機器を備え、症状のある乗客に船内の医療センターにて無料で診療を提供する、強化された医療施設と医療サービス。
5.クルーズ中は継続的に健康モニタリングを実施。全ての乗客乗員に対して、船に戻った時、または船内各所に設置された専用スペースにて毎日検温をおこない、健康状態をモニタリングする。運航初期の段階においては、より強化した感染予防策の一環として、また乗客乗員の健康へのリスクを回避するために、乗客はMSCクルーズが実施する寄港地観光に参加する場合に限り、寄港地を訪れることができる。これは、健康と安全に関して船上同様に高い水準を提供できる寄港地観光を通して、MSCクルーズは寄港地においても、乗客の健康を守ることができることを意味する。輸送手段についても、適切な消毒と十分なスペースの確保を確実におこなう。ツアーガイドとドライバーもヘルススクリーニングを受け、適切な個人用保護具(PPE)を着用する。
6.国の保健当局と緊密に連携して、感染の疑いがある患者が特定された場合は、危機管理対応計画を発動する。感染の疑いがある患者とその濃厚接触者は、隔離措置に従い、地方および国の規制に従って下船する場合もある。
夏期クルーズでは乗客のさらなる安心のために、MSC COVID-19プロテクション・プランを提供する。これは乗客が旅行前に感染した場合、旅行することができない場合、クルーズ中の医療費、クルーズ後に発症した場合に費用をカバーする。MSC COVID-19プロテクション・プランは現在、シェンゲン諸国からの乗客のみ利用可能である。
デジタルチェックイン・プロセスを利用して再設計された乗船手順の導入により、到着時間帯によって乗客の流れを管理し、よりシームレスで非接触的なプロセスを実現する。乗客が健康で乗船の条件を満たしていることを確認するため、検温、COVID-19スワブ検査、健康アンケートの対面チェックを実施。さらなるチェックが必要な場合は、医療スタッフがそれをおこない、必要に応じてさらなるCOVID-19検査がおこなわれる場合もある。
「MSC for Me」アプリでは、グランディオーサとマニフィカの両船を利用する乗客を対象に新たな健康安全対策をサポートする。アプリは、各種サービスの予約、船上での毎日のアクティビティの管理、情報入手に利用できる。
さらに、MSCグランディオーサのすべての乗客乗員には、「MSC for Me」リストバンドが無償で提供され、船内での非接触取引および接触者・近接者の追跡が可能となる。
(クルーズプラネット訳)